40を過ぎているので、なるべく健康診断の機会を逃さないようにしたい。今までは婦人科の健診くらいしか受けたことがなかったが、今後は区が提供している検診を全て受けることにした。
今年は子宮がん、乳がん、肺がん、大腸がん、胃がん、肝炎ウイルスの検査が受けられた。胃がんの検査はバリウム検査だ。バリウムを飲むのは初めてで数日前から憂鬱だった。
絶対に不味い。それに昭和のコントではバリウムを飲んでゲップを我慢しなくちゃいけないのにどうしてもゲップが出てしまって、何回も飲むハメになるというシーンをよく観たような気がする。おまけに母がバリウムアレルギーなので、自分もアレルギーだったらどうしよう。
検査室に入ると、ベッド1つ分くらいの背もたれのある検査台に立たされ、中年の検査技師からまず手渡されたのがコップに入った白い顆粒。おや?これが噂のバリウム?イメージと違うな。バリウムを飲みやすい顆粒にしてくれたん?バリウム2022?これならいけそう。
顆粒とは別に、水が入ったコップを渡された。謎の顆粒と水を口に含むとシュワシュワシュワーっとあり得ない速さで広がった。
「発泡剤ですので早く飲み込んでください」
いや、言うの遅。バリウムちゃうんかい。言われた頃には口から泡が溢れるギリギリというか爆発寸前GIG。
なんとか飲み込むと、続けて白い液体が入ったコップを渡される。バリウムのお目見えだ。技師は隣の部屋に移動してスピーカーから指示を出す。
「それを一口飲んでください」
ゴクリ。コントで見るバリウムよりドロドロしている。でも飲めない味ではないな。
「はい、残りを一気に飲んで飲み終わったらコップをおいてください」
気合を入れて飲み干す。そして撮影開始。立っていた台が仰向け方向に動く。おいおいおいおい。そこから右に2回転してパシャ、左に2回転してパシャ、台の角度をぐるぐる変えながら何度も回転してパシャパシャ。おいおいおいおい。
手すりにつかまりつつ半分逆さまの状態でパシャ。おいおいおいおい。斜めの状態で半身を起こしてパシャ。反対もパシャ。台から滑り落ちそうなのに半身起こしてキープとかおいおいおいおい。
ちょっと待って。コントにするならこっちの方じゃない?今までこのアクロバティックな検査の体験談をする人いなかったのなんで?
てか酔う。これは酔うやつ。わたしは自分の前転でも酔うというのに、自分の回転プラス台の回転はキツイ。せめてあの曲をくれ。スターウォーズのテーマをBGMにしてくれないと色んな意味で耐えられない〜。検査技師は宇宙服的なサムシングを着てお迎えするべき〜。
台が元の位置に戻って、最後お辞儀をするような体制でパシャっとやって撮影は終了。検査技師が隣室から戻って来て、赤い小粒を2つ手渡される。バリウムを飲むと便秘になるので下剤を飲んで排出するらしい。
これを飲むとこの実験の辛い記憶が消えるんですね。アイ ガディ・・・。
検査室を出てすぐに赤い粒を飲む。予想外の体験に身も心も削られた。こんなのもうやりたくない。バリウム検査で危惧すべきは、バリウムを飲んだ先にあったのだ。そして思った。前澤友作ってすごいな。