暗闇ボクシング

コロナ禍のせいもあったし、歯列矯正やそれに伴う手術なんかのせいもあって、この5年近く運動を一切しなかった。

そうです。ザ・言い訳です。

そろそろいい加減、身体を動かさねばと思うんだけど、以前のように格闘技ジムに通うのもなんだかなぁだし、運動不足の中年に何かいい施設はないものかと調べていたところ、昔インストラクターをしていたノアというダンススタジオが、暗闇ボクシングなるスタジオオープンしているではないか。

暗闇×音楽×ボクシング。音楽とボクシングを融合させ、効率的なメソッドに基づいた本格的なトレーニングのできる最先端のボクシングフィットネス。暗闇のなか低音のきいた音楽にのって思い切り体を動かせます。

ボクシングフィットネスジムノア

まるでクラブのようなスタジオで、音楽に合わせてサンドバッグを打ちまくる系?!いいじゃん!好みのやつじゃん!事務所に近い恵比寿にもスタジオがあるし通いやすいじゃん!ダンスのクラスを受けてもいいなんてサイコーじゃん!てなわけで体験レッスンを予約。

当日受付で名前と体験レッスンを予約した旨を伝えると、すぐさまスタッフがパソコンで内容を確認。すると、スタッフ同士で顔を見合わせてなにやら困惑している様子。

「以前、レッスンを受けたことがありますか…?」

「ん?レッスン?初めてですけど…。あ!!!もしかして、ダンスの方ですか?」

「はい」

「あ、え。あります。むかーし通ってたことあります」

「ボクシングは初めてですよね?」

「はい」

「それでしたら大丈夫です」

どうやら、自分でも忘れていた過去の会員履歴がデータに残っているらしい。確認すると、1997年4月12日入会と表示されている。

対応してくれた受付達がまだこの世に生を受けていないであろう時代に、わたしがノアの会員だった履歴が出ている。どゆこと?と思うも当然だ。そしてコイツめっちゃオバはんやん!と誰しもが思ったであろう。

はずい。

ゼロからの感じでノアに通いたかったのにいろいろバレてはずい気持ち満載。でも実際にわたしを知る人はいないからまあいいか。

更衣室で着替えて、レッスンの時間まで待機。ボクシングクラスに出るっぽい女性はたいていスパッツにハーフトップ姿deポニーテール。グッドシェイプであるという自負がなければ絶対にできないやつ。一方わたしはメッシュTEEにファイトショーツというゴリゴリのファイトスタイル。ハーフパンツから膝小僧を出しているレディはいない。

はずい。

時間になったのでスタジオへ。

くんら!(暗)始まる前からくんら!(暗)ちょっと待って。何も見えねえ。スタジオの構造が全く分からねえ。白いサンドバッグが吊るされているのは見える。わたしは25番でやるよう言われたので、虫のようにサンドバックからサンドバッグをつたって25番を探し歩いていると、インストラクターが声をかけてきた。

「体験の方ですか?」

「は、はい」

「リバーサルですね!格闘技やってるんですか?僕も格闘技やってて」

「あ、いやぁ、むかしぃ」

上下リバーサルだったため、ちょっとやったことあるのバレた。ゼロからの感じで行きたかったのにここでもバレた。ああ。

インストラクターによると、音楽に合わせるので実際の格闘技とは全然違う感じだけど、慣れたら楽しいですとのこと。

全然いいんです。格闘技風で。ライトな感じで運動不足が解消できたらわたしはそれで構わないんです。

レンタルグローブはwinningの品質を超えるとの呼び声の高いイサミのBOXER。簡単バンテージもイサミ。インナーに使うミトンもイサミ。サンドバッグもこのマットもきっとそうだろう。設備のクオリティは最高。格闘技界の知り合いのいないこの世界で、慣れ親しんだイサミの道具が心を寄せてくれる。

この日は体験レッスンが数人いたため、事前に軽くパンチの出し方などの説明があり(ほんとに軽く)あとは周りをよく見て真似してください的な感じで爆音とともにレッスンがスタートした。

音でか。てか暗。暗すぎて先生がどこにいるのか分からない。前列のベテラン生徒さんを真似しようとしても、なにやってるのかよく見えない。ほぼほぼヒアリング頼み。

で、レッスンはボクシング的ムーブ半分サーキット半分。プランクとか腹筋とかジャンピングバービーとかバンバン入ってきて、格闘技ジムの補強より数億倍キツイんですけどぉって思ってるのわたしだけ?みんな淡々とこなしてるっぽいのなんで。見えない・キツイ・音うるさいの3重苦(それがウリです)に、ミラーボールと照明がチカチカして酔うのわたしだけ?

てかまじで暗。こんだけ暗くする意味何?ってイライラしてくるレベル(それがウリです)手元も見えず、グローブをはめるのにも一苦労。なのにみんなはスムーズに次の指示にしたがっちゃってるけど、こっちはまだはめてる途中でしょうが!

暗闇ボクシングを体験してみて感じたのは、運動不足の鳥目の中年にはかなり向いていないクラスであること。途中からなんで暗いの?って思ってくる。瞬間最大運動強度はガチンコ格闘技道場よりキツイ。今まで教わった格闘家が全員天使に思えた。格闘家の半分はやさしさでできている。暗闇であるメリットは、サボってもバレないこと(ただし他の人には見えている可能性あり)

結局入会したのかって?そりゃあもう、25年の時を経て再びノアの会員よ。

ただ、グローブをつけたまま腕立てやらプランクやらバービーをするのがしんどいので、そのうちパウンドグローブかオープンフィンガーを持ち込もうと思ってます。もちろんイサミ製で。