ある日突然、食欲がなくなった。「ある日」とはいつのことなのか、はっきりとその瞬間を覚えているけれど、思い出したくないほどに胸がギュンとなったので深くは記さない。
食べるだけではなく、何をしていてもふわふわするような日が続き、そのうちふわふわ感はなくなって平常運転になったものの、食に対する欲求だけが失せてしまった。
仕事もするし、ゲームも楽しい。だけど、お腹が空かなくなり、味覚も鈍くなった。そして食べ物を見ても「おいしそう」という感情すら沸かなくなった。食欲がなくなると食べ物に対しての興味もなくなるのだ。
一度食べられなくなると、日に日に食べられなくなっていく。元々大食いな方なので、母にそのことがバレないようにするのが大変だった。朝食も夕食もゆっくりと時間をかけて食べ、昼食の弁当は申し訳ないと思いつつ半分捨てた。栄養学的にこれはマズいとわかるから、200mlで15gのたんぱく質が摂れるプロテインドリンクをコンビニで買って補給した。
そんな日が数か月続いていたのだが、3日くらい前からお腹が空くようになった。突然食欲が失せたように、突然食欲が戻って来たのだ。
さすがにやべえと思って飲み始めたヘパリーゼの錠剤が効いてきたのか、親友に食べられなくなったことを打ち明けたのが良かったのか、原因はわからない。
お腹が空くって最高だ。
大切な人と一緒に、できるだけたくさんごはんを食べたい。
ただそれだけ。これからもずっと。