襟足が棚田

10年近く通っていた美容院がコロナのあおりを受けて閉店。技術も信頼していたけれど、それ以上に行っておしゃべりするのが楽しみだったからとても残念だった。

しっかたなく、ホットペッパービューティーで検索して、近場でよさげなお店に通い始め、これまでに9回通った。

わたしは髪の毛が硬く、襟足に生え癖がある。前の店ではかなり手こずらせてしまった。新しい店では、その悩みがなかったかのように整えられたので、良い店に出会ったと思った。

現在の美容師さんとは、おもしろいくらいに話が嚙み合わない。その上、毎回初対面の感じもある。人気店だからいちいち細かく覚えていないのだろう。話が合わなくても、好みのスタイルに仕上げてくれればそれでいいので長くお世話になろうかと思っていたのだが、もう行くのをやめることにした。

どういうわけかこの3ヵ月、納得できないことが続いているのだ。

~もう行かへんでカウントダウン3~

横から見ると襟足が3段になっている。美容院を出た時は気にならなかったが、家で鏡を見たら襟足が3段になっている。Like a 棚田。もうちょいこう、グラデーションであるべき。即、美容院へ電話してお直しの予約を入れる。近くとはいえ、改めて時間を割いていくのは面倒だったが、直してもらい満足した。

~もう行かへんでカウントダウン2~

施術が終わり「どうでしょう?」と鏡を渡される。合わせ鏡で後ろを確認すると襟足が3段の悪夢再び。Lile a 棚田。だから、もうちょいこう、グラデーションであるべきでは。その場で直しを入れてもらった。襟足以外も、全体的にそこはかとない卓球感が漂っているのが気になったが、卓球ファンなので許した。

~もう行かへんでカウントダウン1~

施術が終わり「どうでしょう?」と鏡を渡される。合わせ鏡で後ろを確認すると襟足が3段。3 times 棚田。過去2回これでやり直ししたことを覚えていないのだろうか。思いきって尋ねる。

「ここ、3段になってますけど、これってわざとなんですか?」

「そうです」

ミッチョッソ?

わざとこうしてるってどゆこと?わたしの髪質がキミが育った田園風景でも連想させるとか?

「髪の毛もハリがあるのでどうしても多少こう・・」

「ですよね(最初の方はきちんと収まってたのはなぜ?)」

「あとはジェルとかでがっつり抑えていただいて」

「あぁ、なるほど・・(襟足だけガチガチにジェルで固めるとか本気?そんなヤツいる?)」

素人目からしたら変だと思ったけど、相手はプロで、インスタのフォロワーも4000人はいる。だからなんだっちゅう話だけど、そんなイケイケのプロに、意図的にやっているって言われたら、この人とは合わないと思うしかない。

この場でお直しすると刈上げの幅が広くなってしまう。それはもっと嫌なのでOKを出して席を立つ。最悪、元美容師の母に直してもらえばいい。早く帰って「おかあさ~ん」と泣きつきたい。

家に帰ると仕上がりを楽しみに待っていた母が即刻大きな合わせ鏡を持って来て「ここが段になってる」とか「すごい変」とか「直してもらった方がいい」とかたたみかけてくる。

「いいから!触らないで」

とにかくものすごく、以前の美容師さんに会いたい。